必要な加湿量を知ろう

加湿は、部屋の広さ以外に、室内の換気がどれだけとられているか、室内の温度は何度か、などといった様々な点から影響を受けます。そのため、環境に適した加湿器を選ぶには、「必要な加湿量」を知り、その加湿量に見合った加湿能力をもつ加湿器を選ばなければなりません。

まずは必要加湿量を求める上で必要な空気線図について見ていき、次は実際に計算していきましょう。

空気線図について

空気線図とは、前項「相対湿度と絶対湿度」で触れた「湿り空気」の性質を表した図で、乾球温度、湿球温度、露点温度、絶対湿度、相対湿度、エンタルピなどの要素を求めることができます。またこれら要素のうち2つがわかれば、その他の要素をすべて空気線図を用いて求めることができます。

乾球温度、湿球温度、露点温度について

絶対湿度、相対湿度について

グラフには「乾球温度」が横軸、「絶対湿度」が縦軸、そして「相対湿度」が右上がりの曲線で示されています。

湿り空気線図

参考文献
Carrier Corporation Cat. No 794-001, dated 1975

空気線図から湿度をみよう

  • 乾球温度A20℃、相対湿度B40%の場合、絶対湿度はC0.006kg/kg'となります。
  • 上記の状態の空気の乾球温度をD25℃に上げると、相対湿度はE30%となります。

この通り、2つの要素が分かれば、その他の要素を求めることができます。

次項の「必要加湿量の計算方法」では、「温度」と「相対湿度」の2つの要素から「絶対湿度」を求めていきます。

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必要加湿量の計算方法

必要加湿量の計算方法

では、次の条件の施設では、どれくらいの能力のある加湿器を選定すればよいのか、実際に計算してみましょう。

相対湿度については前項「相対湿度と絶対湿度」で詳しく紹介しています。

求め方

1.外気の絶対湿度を
求める

室外(外気)の温湿度の状態の「温度」と「相対湿度」から外気の絶対湿度を求めます。外気の絶対湿度を求めるには「空気線図」を見ます。

空気線図の見方

したがって、外気の絶対湿度は0.0019kg/kg'

2.室内の絶対湿度を
求める

目標とする室内の温湿度の「温度」と「相対湿度」から室内の絶対湿度を求めます。絶対湿度を求めるには「空気線図」を見ます。

空気線図の見方

したがって、外気の絶対湿度は0.0066kg/kg'

3.必要な絶対湿度を
求める

必要な絶対湿度(kg/kg')=目標とする室内の絶対湿度-外気の絶対湿度

必要な絶対湿度 = 0.0066kg/kg' - 0.0019kg/kg'

必要な絶対湿度 = 0.0047kg/kg'

4.空気の密度を
求める

空気 (1気圧 20℃の場合) の密度:1.2 kg/m³

5.換気量を
求める

換気量 (m³/h)= 部屋全体の容積(縦 × 横 × 天井高)× 換気回数

換気量 = 15m × 50m × 2.5m × 1回転

換気量 = 1875m³/h

換気について

6.必要加湿量を
求める

必要加湿量(kg/h)=
換気量 × 空気の密度 × 必要な絶対湿度

必要加湿量 = 1875m³/h × 1.2 kg/m³ × 0.0047 kg/kg'

必要加湿量 = 10.6kg/h

したがって、1時間に10.6kg以上の加湿能力をもつ加湿器を選定する必要があります。
家庭用の小型加湿器で加湿量が「0.3kg/h」(目安:5~8畳タイプ)のタイプを使用する場合は「35台」以上必要で、卓上タイプのペットボトルを使用する加湿器で加湿量が「0.1kg/h」のタイプを使用する場合は「106台」必要になります。
これはあくまで最低台数なので、ここから換気量が多くとられているような場所であれば、それに合わせた台数の増加が必要です。 加湿量の大きい大型のタイプや業務用のタイプの加湿器であれば、少ない台数で必要な加湿量を満たすこともできます。

加湿器の特徴と必要な加湿量を知れたら、次に「失敗しない加湿器の選び方」を見ていきましょう。

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加湿器について

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